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省力化投資補助金「カタログ注文型」とは?一般型との違いと2026年3月の制度改定

「人手不足を解消したいけれど、補助金の申請書類を一から作る余裕がない」という声を、小規模な事業者の方からよくうかがいます。日々の業務に追われる中で、複雑な事業計画書を書く時間を確保するのは容易ではありません。中小企業省力化投資補助金には、専門的な事業計画書を作らなくても申請しやすい「カタログ注文型」という枠が用意されています。今回は、このカタログ注文型の仕組みと、2026年3月に行われた制度改定のポイントをまとめました。

カタログ注文型とは―既製品を選ぶだけの手軽さ

中小企業省力化投資補助金には、大きく分けて「一般型」と「カタログ注文型」の2つの枠があります。一般型は、事業者が自社の課題に合わせて省力化設備を選定し、詳細な事業計画書を作成して申請する枠です。これに対してカタログ注文型は、あらかじめ事務局に登録されているカタログの中から製品を選ぶだけで申請できる、手軽さが特徴の枠です。事業計画書のような専門的な書類作成が不要なため、初めて補助金の申請にチャレンジする小規模な事業者にとって、取り組みやすい制度だといえます。

対象となる製品にはどんなものがあるか

カタログ注文型の対象製品は1,000種類を超え、配膳ロボットや協働ロボット、セルフレジ、清掃ロボットなど、幅広い業種の省力化ニーズに対応する製品が登録されています。飲食業であれば配膳ロボットや券売機、小売業であればセルフレジ、製造業であれば簡易な搬送・組立ロボットなど、業種ごとに活用しやすい製品が見つかりやすいのも特徴です。カタログに掲載されている製品であれば、対象設備として認められるかどうかを個別に判断する手間も省けます。今後もカタログへの登録製品は随時追加されていく見込みですので、以前に確認した際には希望する製品がなかったという場合でも、あらためて最新のカタログを確認してみる価値があります。

補助率・補助上限額―2026年3月の改定で上限が引き上げ

カタログ注文型の補助率は原則として2分の1です。補助上限額は従業員数の規模によって区分されており、2026年3月19日の制度改定により、この上限額が引き上げられました。改定後は、従業員5人以下の事業者で上限500万円、6人から20人以下で上限750万円、21人以上で上限1,000万円となっています。特に小規模な事業者ほど上限額の引き上げ幅が大きく、従来と比べて活用しやすい制度になったといえます。なお、一定の賃上げに取り組む場合には、これらの上限額からさらに上乗せされる仕組みもあります。上乗せの具体的な要件は改定に伴って変更されている可能性がありますので、申請を検討する際は事務局の最新の公募要領をご確認ください。

申請の大まかな流れ

カタログ注文型の申請は、専用のポータルサイト上でカタログから製品を選び、必要事項を入力する形で進めていきます。事業計画書のような文章での説明は求められませんが、GビズIDプライムアカウントの取得や、労働生産性の向上に関する簡単な計算など、いくつかの準備は必要です。交付決定を受けてから製品を発注・導入し、設置後に実績報告を行うという流れは一般型と共通しています。交付決定前に発注や契約をしてしまうと補助対象外になってしまいますので、手続きの順番を誤らないよう十分に注意が必要です。

収益納付の廃止も見逃せない改定ポイント

今回の改定では、上限額の引き上げに加えて、収益納付の廃止も行われました。これまでは、補助金を活用して導入した設備によって一定以上の収益が出た場合、その一部を国に納付する必要がある場合がありましたが、この仕組みが廃止されています。導入後の事業成果を気にせず設備投資に踏み切りやすくなったという点で、事業者にとっては歓迎しやすい変更だといえるでしょう。

一般型との違い、どちらを選ぶべきか

カタログ注文型は手続きが簡単な反面、対象となる設備はカタログに登録されている製品に限られます。自社の課題に対して、カタログにない独自の設備やシステムを導入したい場合には、事業計画書を作成する一般型を選ぶ必要があります。逆に、カタログに自社のニーズに合う製品があるのであれば、申請の手間が少なく、審査から採択までのスピードも比較的早いカタログ注文型を選ぶメリットは大きいといえます。どちらの枠が自社に合っているか迷う場合は、まずカタログに掲載されている製品を確認してみるとよいでしょう。

申請前に確認しておきたいこと

カタログに希望する製品があっても、人気の製品は納期が延びていたり、販売事業者側の対応に時間がかかったりする場合があります。導入したい設備が決まったら、早めに販売事業者に相談し、納期や設置スケジュール、アフターサポートの内容まで含めて見通しを確認しておくと安心です。また、補助対象となる経費の範囲や、労働生産性の向上をどう説明するかといった細かな要件は、公募回によって変更されることがあります。申請を検討する際は、必ず事務局の最新の公募要領で条件を確認するようにしてください。

加えて、電子申請にはGビズIDプライムのアカウントが必要です。取得には通常2〜3週間程度かかるとされているため、製品の選定と並行して早めに手続きを進めておくと、締切間際に慌てずに済みます。

まとめ―小規模事業者こそ検討したい制度

カタログ注文型は、専門的な事業計画書の作成が難しい小規模事業者にとって、省力化投資への第一歩を踏み出しやすい制度です。2026年3月の改定で補助上限額が引き上げられ、収益納付も廃止されたことで、以前よりも格段に使いやすい制度になりました。「人手不足だが何から手をつければいいかわからない」という段階の事業者にとって、まず気軽に検討してみる価値のある制度だといえます。制度の詳しい概要や対象製品は、中小企業省力化投資補助金の公式サイトでも確認できます。

省力化投資補助金の一般型を含めた制度全体の概要は、当事務所の中小企業省力化投資補助金サポートページでもご案内しています。当事務所では、事業計画書の作成が必要な一般型の申請サポートも行っております。カタログ型と一般型のどちらが自社に合うか迷われる場合や、GビズIDの取得から進めたいという場合も、お気軽にご相談ください。