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先端設備等導入計画の認定で固定資産税が軽減に―中小企業の設備投資を後押しする制度を解説

設備投資を検討するとき、補助金だけでなく税金の負担がどれくらい軽くなるかも気になるところではないでしょうか。中小企業等経営強化法にもとづく「先端設備等導入計画」の認定を受けると、新しく取得した設備にかかる固定資産税が数年間軽減されます。補助金と違って審査に落ちる不安が比較的少なく、多くの中小企業にとって使いやすい制度ですが、賃上げに関する要件が加わるなど、ここ数年で内容が変わってきています。今回はこの制度の仕組みと、活用にあたって押さえておきたいポイントを整理します。

先端設備等導入計画とはどんな制度か

先端設備等導入計画は、中小企業が生産性向上を目的として新しい設備を導入する際に、その計画を市区町村から認定してもらうことで、固定資産税の軽減を受けられる制度です。認定を受けるには、あらかじめ国から認定を受けた「経営革新等支援機関」による事前確認を受けたうえで、事業所のある市区町村に計画を申請する必要があります。設備投資そのものを直接補助する制度ではなく、税負担を軽くすることで投資を後押しする、という位置づけの制度です。

対象となる設備は、機械装置や工具、器具備品、建物附属設備など幅広く、業種や事業内容に応じて生産性向上に資すると認められるものが対象になります。新規性を伴う最新モデルである必要はなく、自社にとって生産性を高める効果がある設備であれば対象になり得る点も、この制度が使いやすいとされる理由のひとつです。

固定資産税がどれくらい軽減されるのか

軽減の内容は、賃上げの実施状況によって段階的に設定されています。従業員の給与支給総額を1.5%以上増加させる計画を伴う場合は、固定資産税の課税標準が3年間にわたって1/2に軽減されます。さらに3.0%以上の賃上げを伴う場合は、5年間にわたって1/4まで軽減される仕組みです。以前は賃上げを伴わない計画でも一定の軽減が受けられましたが、近年の制度改正により、軽減の適用を受けるためには賃上げの実施が前提となっています。

この賃上げ要件により、単に設備を入れ替えるだけでなく、その投資効果を従業員の処遇改善にもつなげることが求められるようになりました。設備投資の計画を立てる段階から、あわせてどの程度の賃上げを実現できそうかを見積もっておく必要があります。

申請の流れと必要な準備

申請にあたっては、まず認定経営革新等支援機関(税理士や商工会議所、金融機関などが該当します)による事前確認を受け、その内容を踏まえて先端設備等導入計画を作成します。計画には、導入する設備の内容や投資額、労働生産性の向上目標、賃上げに関する従業員への表明などを盛り込む必要があります。計画がまとまったら、設備を取得する前に市区町村へ申請し、認定を受けてから設備を取得するという順序を守ることが重要です。すでに購入してしまった設備は、原則として対象外になってしまいます。

また、固定資産税の特例の適用を受けるためには、計画の認定に加えて、賃上げに関する表明書を従業員に提示していることを示す書類の提出も必要です。書類の準備に一定の時間がかかるため、設備の発注時期から逆算して早めに支援機関へ相談しておくことをお勧めします。

他の制度との組み合わせ

先端設備等導入計画は、ものづくり補助金や中小企業省力化投資補助金など、他の補助金と組み合わせて活用されることも多い制度です。補助金で設備投資の初期費用を抑えつつ、あわせて先端設備等導入計画の認定を受けることで、その後数年間の固定資産税負担も軽減できます。実際、多くの補助金の審査においても、先端設備等導入計画の認定状況が加点要素として扱われる場合があり、両方をセットで検討することで採択の可能性を高められることもあります。

建設業においても、測量機器や施工管理システム、重機などの導入にあわせてこの制度を活用するケースが見られます。設備更新のタイミングで、補助金の申請とあわせて税制優遇の活用も検討してみる価値はあるといえます。

賃上げ要件をどう捉えるか

近年の制度改正で賃上げが軽減の前提条件になったことについて、「設備投資と賃上げを同時に求められるのは負担が大きい」と感じる経営者の方もいらっしゃるかもしれません。ただ、見方を変えれば、設備投資によって生産性を高めた分をどう従業員に還元するかを、計画段階からあらかじめ考えておく機会だともいえます。人手不足が続くなかで、賃金水準の見直しは採用や定着にも直結する経営課題であり、税制優遇を活用しながら賃上げの原資を確保していくという発想は、今後さらに重要になっていくと考えられます。

なお、賃上げの表明は従業員への周知が求められるため、社内での説明のタイミングや伝え方についても事前に検討しておく必要があります。単に書類上の手続きとして処理するのではなく、実際に従業員の理解を得ながら進めることが、認定後のトラブルを避けるうえでも大切です。

認定を受けたあとに注意すべきこと

先端設備等導入計画の認定を受けたあとも、計画通りに設備を取得し、表明した賃上げを実施しているかどうかが確認される場合があります。計画と実態が大きく食い違うと、軽減措置の取り消しにつながる可能性もあるため、認定後も計画の進捗を社内で管理しておくことが望ましいといえます。とくに複数年にわたって軽減が続く制度のため、担当者が異動しても計画の内容が引き継がれるよう、社内に記録を残しておくとよいでしょう。

まとめ

先端設備等導入計画の認定を受けると、新しく取得した設備の固定資産税を最大1/4まで軽減できる可能性があります。ただし近年の制度改正により、軽減を受けるためには一定の賃上げを伴う計画であることが前提となっている点に注意が必要です。※軽減率や適用期間、必要書類は制度改正により変更される場合があるため、最新情報は中小企業庁や事業所のある市区町村の窓口でご確認ください。

設備投資と税制優遇をあわせて検討したい、計画の作成方法がわからないという場合は、当事務所までお気軽にご相談ください。認定経営革新等支援機関との連携が必要な手続きのため、早めに動き出すことをお勧めします。