暑さの盛りが過ぎ、少しずつ秋の気配を感じる季節になってきました。年間のスケジュールで見ると、秋はちょうど年度の折り返しにあたる時期です。上半期の業績が見えてくるこのタイミングで、決算対策や補助金の活用状況を一度振り返っておくと、年末から来年度にかけての動きがぐっと立てやすくなります。
日々の業務に追われていると、こうした振り返りはどうしても後回しになりがちです。しかし、年末が近づいてから慌てて情報収集を始めると、検討できたはずの選択肢を見送らざるを得なくなることも少なくありません。今回は、中小企業の経営者の方に向けて、秋のうちに確認しておきたいポイントを整理してみます。
秋は決算・税務対策を見直すタイミング
3月決算の会社であれば、秋はちょうど上半期が終わり、下半期に入る時期にあたります。9月決算・10月決算の会社では、まさに決算そのものが近づいてくる時期です。決算月がいつであっても、この時期に一度、今年度ここまでの業績や資金繰りの状況を確認し、下半期に向けた方針を立てておくことには意味があります。
設備投資のタイミングや役員報酬の見直し、在庫や売掛金の整理など、決算にかかわる判断は早めに動くほど選択肢が広がります。具体的な税制優遇や節税策については、当事務所の専門外となりますので、詳細は顧問税理士や税務署など専門家にご確認いただきたいのですが、「秋のうちに一度、今年度の着地見込みを税理士に相談しておく」というだけでも、年末の慌ただしい時期に慌てて動くよりずっと落ち着いて対応できるはずです。
補助金の活用状況を年内に棚卸ししておく
決算対策とあわせて考えておきたいのが、補助金の活用状況の棚卸しです。今年一年、自社にとって使えそうな補助金の情報を集められていたか、実際に申請まで進めたものはあったか、振り返ってみると、思った以上に見送った制度が多いという会社は少なくありません。
補助金は年度ごとに公募のスケジュールや要件が変わることが多く、年内にある程度の情報を整理しておくと、来年度の申請計画が立てやすくなります。たとえば、今年は検討したものの申請を見送った制度があれば、その理由を振り返っておくことをおすすめします。要件が合わなかったのか、準備の時間が足りなかったのか、そもそも情報を知るのが遅かったのか。理由によって、来年度に向けて準備すべきことは変わってきます。
また、来年度に予定している設備投資や新規事業の計画があるなら、それに対応する補助金がないかを今のうちから調べ始めておくのも有効です。ものづくり補助金や事業再構築補助金をはじめ、多くの制度は公募開始から締切までの期間が限られており、事業計画書などの申請書類の準備にもそれなりの時間がかかります。特に事業計画書は、単に制度の要件を満たすだけでなく、自社の強みや今後の展開を筋道立てて説明する必要があるため、直前になって書き始めると内容が薄くなりがちです。年明けから動き始めるのではなく、秋のうちに情報収集と大まかな方向性の検討を進めておくことで、公募が始まってから慌てずに申請準備を進められます。
棚卸しの方法としては、難しく考える必要はありません。今年一年で目にした補助金の名前を書き出してみる、来年度に検討している投資内容をリストにしてみる、といった簡単な作業からで十分です。そのうえで、自社の状況に合いそうな制度をいくつか候補として絞り込んでいけば、公募が始まったタイミングでスムーズに動き出せます。当事務所でも、補助金の情報収集や申請書類の作成については、経営者の方の負担を減らせるようサポートをしておりますので、気になる制度があれば早めにご相談いただくとスムーズです。
建設業は工事の進行状況と届出のタイミングを確認する
建設業を営む会社にとって、秋は年末に向けた工事の進行状況を確認しておきたい時期でもあります。年度末や年末に工期が集中している現場が多い会社では、今の時期に人員配置や資材の手配、下請業者との調整に見通しをつけておくことで、年末の繁忙期を落ち着いて乗り切りやすくなります。
あわせて確認しておきたいのが、決算変更届など毎年提出が必要な届出です。建設業許可を持つ会社は、決算終了後4か月以内に決算変更届(事業年度終了届)を提出する義務があり、これを怠ると経営事項審査を受けられなかったり、許可の更新に支障が出たりすることがあります。決算月が近い会社は、決算後にどのタイミングで届出の準備を始めるか、今のうちに大まかなスケジュールを組んでおくと安心です。
特に、経営事項審査を受けて公共工事の入札に参加している会社にとっては、決算変更届の提出が遅れると審査そのもののスケジュールに影響することがあります。毎年のことだからと後回しにせず、決算月から逆算していつまでに必要な書類を揃えるか、社内で確認しておくとよいでしょう。決算変更届の作成や提出については、当事務所で代行も承っておりますので、決算のたびに手続きに追われているという会社様は、一度ご相談いただければと思います。
来年度に向けて、今のうちにできること
決算対策も補助金の棚卸しも、建設業の届出関連も、共通して言えるのは「早めに動き出した方が選択肢が広がる」という点です。年末が近づいてから一気に対応しようとすると、情報収集も書類準備も時間に追われてしまい、本来検討できたはずの選択肢を見送らざるを得なくなることもあります。
秋のこの時期に、今年一年を振り返りながら、決算・補助金・許認可関連の届出について一度棚卸しをしておくことは、来年度をスムーズに迎えるための地ならしになります。全部を一度に完璧に整理する必要はなく、まずは気になっている項目から確認を始めてみるだけでも十分です。
まとめ
秋は年度の折り返しであり、決算対策を見直し、補助金の活用状況を棚卸しし、建設業であれば工事の進行状況や決算変更届のタイミングを確認しておくのに適した時期です。税務面の具体的な判断は顧問税理士など専門家にご確認いただくとして、補助金の情報収集や申請準備、建設業の各種届出については、早めに動き出すことで年末から来年度にかけての負担を軽くすることができます。
当事務所では、補助金の申請サポートや建設業許可・決算変更届などの手続きのお手伝いをしております。来年度に向けて何から手をつけたらよいか迷っている、という段階でも構いませんので、秋のうちに一度、お気軽にご相談ください。
補助金の申請サポートについて詳しくは、補助金申請サポートのページに制度ごとの取り扱いをまとめていますので、あわせてご覧ください。



