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CCUSは義務化されていないのに必須?公共工事の入札と外国人技能者受け入れで広がる実質義務化

「CCUSはまだ法律上の義務ではないから、うちはまだ大丈夫」と考えている建設会社の方もいらっしゃるかもしれません。確かに、建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録は、現時点で建設業法上の義務にはなっていません。しかし、公共工事の入札条件や外国人技能者の受け入れ要件として組み込まれる場面が増えており、実質的には「登録していないと現場に入れない」状況が広がっています。

CCUSとはどんな仕組みか

CCUSは、建設現場で働く技能者の資格・社会保険加入状況・就業履歴を、業界全体で共通のシステムに記録する仕組みです。技能者が現場に設置されたカードリーダーにカードをタッチするだけで、就業履歴が自動的に蓄積されます。蓄積された履歴は、技能者本人のキャリア形成や、能力評価(レベル判定)の根拠として活用されます。

対象となるのは、大工・とび・左官・電気工事・配管などほぼすべての職種で、正社員、アルバイト、一人親方、外国人技能者を問わず、現場で実際に作業を行う人全員が登録の対象になります。

法律上は義務ではないが、事実上必須になっている理由

建設業法上、CCUSへの登録そのものは義務化されていません。しかし、国土交通省の発注工事をはじめ、多くの公共工事でCCUSの活用が原則化されており、元請会社が下請会社や技能者にCCUS登録を求めるケースが一般的になっています。CCUS未登録の技能者が多い会社は、公共工事の受注機会そのものが狭まってしまう可能性があります。

また、CCUSの活用状況は経審のW点(社会性等)やZ点(技術力)にも反映されます。レベルの高い技能者が社内に多いほど点数が向上する仕組みになっているため、公共工事を受注したい会社にとっては、CCUSへの取り組み自体が経審対策の一部になっているといえます。

現場での実態としても、CCUSのカードを持っていない技能者は入場を断られる、あるいは入場できても就業履歴が記録されないままになってしまうケースが増えています。元請会社が現場の管理上CCUSの活用を前提にしている以上、下請会社や一人親方が登録を後回しにしていると、思わぬところで現場に入れなくなるリスクが生じます。

外国人技能者の受け入れにも登録が必要

建設分野で技能実習生や特定技能の外国人を受け入れる場合、CCUSへの登録が要件として組み込まれています。受入企業はあらかじめ事業者登録を済ませておく必要があり、外国人技能者本人も在留資格に応じた期限内に技能者登録を行うことが求められます。外国籍の技能者を登録する際には、在留カードや特別永住者証明書など、日本人とは異なる書類が必要になる点にも注意が必要です。

人手不足を背景に外国人技能者の受け入れを検討している建設会社は、CCUSの登録準備を採用活動と並行して進めておく必要があります。受け入れの直前になって登録の不備に気づくと、現場への配置が遅れてしまうおそれがあります。

技能者本人にとってのメリットも大きい

CCUSは会社側の対応だけでなく、技能者本人にとってもメリットのある仕組みです。就業履歴やレベル判定の結果が蓄積されることで、これまで勤めた会社を辞めて別の会社に移った場合でも、それまでの経験やキャリアを客観的に示すことができます。レベルの高い技能者は賃金や処遇の面でも評価されやすくなるため、技能者自身のモチベーションにもつながります。

会社にとっても、技能者にCCUS登録のメリットを丁寧に説明することで、登録への協力を得やすくなります。登録作業を会社が一方的に進めるのではなく、技能者にとっての利点も共有しながら進めることが、スムーズな導入につながります。

登録費用についても触れておくと、事業者登録・技能者登録ともに一定の登録料がかかりますが、技能者本人が継続的にキャリアを積み重ねていく基盤になることを考えると、決して無駄なコストではありません。会社として登録料を補助する、あるいは登録手続きを代行するといった形で技能者を後押しする会社も増えています。

登録が遅れている会社が今からできること

CCUSへの登録は、まず会社単位の事業者登録から始まります。その後、技能者一人ひとりの登録を進め、キャリアアップカードを取得してもらう流れになります。在籍する技能者が多い会社ほど、登録には一定の時間がかかるため、計画的に進めることが大切です。

登録の際には、各技能者の資格証明書や本人確認書類を取りまとめる必要があり、人数が多い会社ではこの準備だけでも相応の手間がかかります。一度にすべての技能者を登録しようとすると現場の負担が大きくなるため、入場予定の現場や工事のスケジュールに合わせて優先順位をつけながら進めていく会社も多く見られます。

すでに登録は済んでいても、能力評価(レベル判定)を受けていない技能者がいる会社も少なくありません。レベル3・4の技能者が増えるほど経審のZ点向上につながるため、登録だけで終わらせず、能力評価の取得まで進めておくことをおすすめします。CCUSの活用状況によって受注機会や経審の点数に差が出てくる以上、後回しにするほど不利になりやすい分野といえます。

まとめ

CCUSは法律上の義務ではないものの、公共工事の入札条件や外国人技能者の受け入れ要件として、実質的に避けられない仕組みになってきています。登録の有無が受注機会や経審の点数に直接影響する以上、まだ対応が済んでいない会社は早めに準備を始めることをおすすめします。

特に下請会社を多く抱える元請企業にとっては、自社だけでなく協力会社のCCUS登録状況も含めて把握しておく必要があります。協力会社の登録が進んでいないと、結果的に自社が受注できる工事の幅が狭まってしまうこともあるため、現場全体での取り組みとして捉えることが大切です。普段から付き合いのある協力会社であっても、登録状況を定期的に確認し合う関係を築いておくと、いざというときに慌てずに対応できます。

CCUSの登録手続きや経審への活用方法について不安がある方は、当事務所にご相談ください。建設業許可や経審申請とあわせて、実務に即したサポートを行っています。